二人は、神社の喧騒を抜けて、
河川敷へと、出て来た。
河川敷も、人で一杯だった。
佐紀は、少し前から、気になっていた。
佐紀の手のひらは、
たくさん汗をかいていた
それで、この手を放そうかどうか、
考えていたのだった。
でも、これでは祐太も気持悪いだろうと思い
「やだぁ、私の手、汗でベタベタ」
そう言って、手を離した。
すると祐太は、
「かまわないさ」
そう言って、佐紀の手を掴んだ。
その手の力強さに佐紀は、ドキッとした。
ドーーーンと大きな音が鳴り、
巨大な花火が上がった。
二人は上を見上げたが、
その真っ赤な花火のお蔭で、
佐紀の顔が赤らんだのは、
誰にも知られることはなかった。
二人はそのまま、花火を見ていたが、
そのうち、祐太が指を開き、
佐紀と絡めてきた。
“えっ、これって、もしかして、
恋人つなぎってヤツ?”
佐紀は、そう思って祐太を見ると、
祐太は知らん顔をして、上を向いていた。
佐紀の心の中を、戦闘機が飛んできて、
爆弾を落として行った。
“ドッカーーーン”
再び、巨大な、緑色の花火が上がった。
佐紀の周りがパアーッと明るくなったのは、
あながち、花火のせいだけでは、
なかったのかもしれない。
佐紀は心の中で、遠くに見えるナッキーに
ピースサインをして見せた。

