佐紀は、約束の時間ちょうどに、
待ち合わせの場所に、浴衣で現れた。
祐太は先に来ていたらしく、
あたりを見回しながら、立っていた。
「待った?」
佐紀がそう言うと、
祐太は驚いたように、佐紀を見た。
どうやら、声をかけるまで、
佐紀だと気付いていない様だった。
髪をアップにし、浴衣姿で立つ佐紀を
祐太は、まじまじと見た。
“かっ、かわいい!!”
佐紀の後ろから、
まるで、後光が差しているかの様に、
祐太には輝いて見えた。
言葉を発することが出来ず、
ただ、上から下、下から上へと
何度も佐紀を見ている祐太に、
「どうしたの?」
佐紀が、そう訊くと、
「えっ、あっ、いや、その………」
祐太は、しどろもどろになって答えた。
佐紀は、そんな祐太の狼狽ぶりが、
面白かった。
「じゃっ、行こうか」
祐太は、自分が、
思いもかけず狼狽したことの照れ隠しに、
ぶっきらぼうに言った。
「うん」
二人は、肩を並べて、歩き出した。

