「部活~ウチらバスケ部~番外編」    佐紀、二十歳


佐紀は、約束の時間ちょうどに、
待ち合わせの場所に、浴衣で現れた。

祐太は先に来ていたらしく、
あたりを見回しながら、立っていた。


  「待った?」


佐紀がそう言うと、
祐太は驚いたように、佐紀を見た。

どうやら、声をかけるまで、
佐紀だと気付いていない様だった。

髪をアップにし、浴衣姿で立つ佐紀を
祐太は、まじまじと見た。


  “かっ、かわいい!!”


佐紀の後ろから、
まるで、後光が差しているかの様に、
祐太には輝いて見えた。

言葉を発することが出来ず、
ただ、上から下、下から上へと
何度も佐紀を見ている祐太に、


  「どうしたの?」


佐紀が、そう訊くと、


  「えっ、あっ、いや、その………」


祐太は、しどろもどろになって答えた。

佐紀は、そんな祐太の狼狽ぶりが、
面白かった。


  「じゃっ、行こうか」


祐太は、自分が、
思いもかけず狼狽したことの照れ隠しに、
ぶっきらぼうに言った。


  「うん」


二人は、肩を並べて、歩き出した。