佐紀がバスケット部に入って最初の大会、
春季大会は、3回戦で終わり、
目標のベスト8には、
あと一つ届かなかった。
勝ち進めば、ゴールデンウィークが、
全て潰れてしまっていたのだけど、
負けてしまったので、2日間の休みが、
与えられた。
佐紀が、祐太に電話すると、
祐太のチームも敗れていて、
オフになっていた。
「もしもし、祐太。
私、休み取れたんだけど、
会えない?」
「うん、俺も明日からオフだから、
いいよ」
「じゃあ、どこにしようか」
「お前、どこかいいトコ、知らないか」
「うーん、じゃあ、
ちょうど真ん中らへんに、
湖畔の公園があるから、
そこにしよっか」
「なんだ、調べてるじゃんか」
「へへっ、何時?」
「お前に任せるよ」
「じゃあ、9時」
「9時? ちょっと早いなぁ。
もう少し、寝させてくれよ」
「任せるって、言ったじゃないの。
じゃあ、10時」
「うん、わかった」
「じゃあ、10時。
寝坊しないでよ」
「わかった、努力するよ」