「でも、タメって言うけど、
   あんな子、見た事ないよ」


  「きょうは取材だから、バンバン、
   オーラ、出してるけど、
   普段は、
   消してるみたいだからね」


  「でも、モデルと学生なんて、
   両立させるの、
   大変だろうね」


  「彼女の事務所は、
   学業優先みたいだけど、

   でも、一緒だよ」


  「何が?」


  「彼女、歌も出してるみたいだけど

   ポイトレ、あっ、ボイトレって、
   ボイス・トレーニングね、
   ボイトレしたり、レッスン通ったり
   それもこれも、仕事での、
   最高のパフォーマンスのため。

   サキたちと、一緒じゃん」


  「一緒って?」


  「サキも、試合で、
   最高のパフォーマンスをするため
   練習してるじゃん。

   だから、一緒」


  「そうかぁ、
   目指すものは、一緒なんだ。

   じゃあ私も、モデル、出来るかな」


  「う~ん、それは違うと、思うけど」


  「だよねっ」


サキとナッキーは、顔を見合わせて、
笑った。


ナッキーは、別れ際に、


  「じゃあ、明日の結果、
   また、聞かせてね」


  「えっ、ああ、………
   うん」