「部活~ウチらバスケ部~番外編」    佐紀、二十歳


廊下を歩いていると、前から、
答案用紙を片手に、教授然とした人が、
歩いて来た。

すれ違う時、後ろにピタッと張り付いている
男子学生がいた。

男子学生は、真っ青な顔をして、
後ろから、ついて行っていた。

それを見た佐紀は、


  「何? あれ
   悲壮な顔、してたよ」


と言うと、ナッキーは、訳知り顔で、


  「ああ、あれは、カンニングだね」


  「カンニング?」


  「うん、カンニングが、
   バレたんだろうね」


  「また、バカなことを。
   これで、あの教科、0点だね」


  「違うよ」


  「えっ」


  「カンニングがバレたら、
   全教科、0点だよ。

   これで、あの子、留年確定ぃ~」


  「へぇ~、そうなんだ。

   厳しいっ」


  「1教科くらい落としても、
   どうって事無いのに、
   軽い気持ちで、やったんだろうね。

   後先考えないでやるから、
   あんな目に合うんだよ」