「部活~ウチらバスケ部~番外編」    佐紀、二十歳


佐紀の大学は、2期制で、
前期と後期に分かれていた。

成績は“優・良・可・不可”で
表示された。

“優・良・可”なら、単位がもらえる。

バスケ部の先輩によれば、


  「選択科目なんて、
   “可”でも、いいんだよ。
   とにかく単位を取っとかないと、
   進級できないからね」


ということであった。


佐紀とナッキーが、
必修科目の試験が終わって、
選択科目の試験教室へ、向かっていた。

ナッキーが、


  「ねっ、今の、出来た?」


と、訊いて来た。


  「うん、まあまあかな」


と答えると、ナッキーは、


  「私、ヤバいかも。
   あ゛~、“可”でもいいから、
   単位、くれぇ~」