佐紀の大学は、2期制で、
前期と後期に分かれていた。
成績は“優・良・可・不可”で
表示された。
“優・良・可”なら、単位がもらえる。
バスケ部の先輩によれば、
「選択科目なんて、
“可”でも、いいんだよ。
とにかく単位を取っとかないと、
進級できないからね」
ということであった。
佐紀とナッキーが、
必修科目の試験が終わって、
選択科目の試験教室へ、向かっていた。
ナッキーが、
「ねっ、今の、出来た?」
と、訊いて来た。
「うん、まあまあかな」
と答えると、ナッキーは、
「私、ヤバいかも。
あ゛~、“可”でもいいから、
単位、くれぇ~」

