(3)キャンパス・ライフ 佐紀は、教室に入ると、友達を探した。 「あっ、ナッキー、課題、写させて」 「いいけど。 どうしたの? やってこなかったの?」 「うん、寝てた」 「“寝てた”って、ダメじゃん。 わかった、はい、どうぞっ」 「ありがとう、恩に着るよ」 「一つ、貸しね」 ナッキーは、悪戯っぽい笑顔で、 佐紀にノートを渡した。 佐紀は、急いでナッキーのノートを、 写し始めた。 このナッキーは、佐紀が大学に入って、 初めてできた友達だった。