佐紀は、ダイニングにやってくると、


  「伯母さん、朝ご飯、
   食べる時間ないから、
   このまま行くよ」


  「あっ、あっ、じゃあ、これだけでも
   飲んで行って」


そう言って伯母さんは、自家製の、
グリーン・スムージーを出した。


  「珍しいわね、
   サキちゃんが、寝坊するなんて」


  「うん、昨日の練習が……」


  「ほどほどにしてた方か、いいわよ」


伯母さんは、完全に家族目線だった。

佐紀は、スムージーを飲み干すと、
急いてダイニングを飛び出した。


  「いってきま~す」


  「いってらっしゃい。気を付けてね」


しかしその時、もう佐紀は、
玄関を飛び出していた。