「部活~ウチらバスケ部~番外編」    佐紀、二十歳


開始1分前のブザーが鳴った。


キャプテンが、声をかける。


  「よし、行くよ。

   イチ、ニッ、サン」


  「ファイ」


スターティング・メンバーが、
コートに出て行く。

佐紀は、大きく、深呼吸をした。

それから、下を向き、胸に手を当て、
そして祈った。


  “祐太、私、負けないよ。

   祐太の夢は、叶えられないけど、
   私が引き継いで、このチームを、
   絶対、1部に上げてみせる。

   見ててね、そして、応援してね”


顔を上げると、戦場であるコートが、
眩しく、輝いていた。


  「よっし!」


佐紀は、小さくそう言うと、胸を張り、
コートに、一歩を踏み出した。