練習が、再開された。


しかし、30分もすると、
暑さのため、体力の消耗はハンパなかった


  「ふぅー、キツいなあ」


キャプテンは、皆に、


  「給水タイム。
   3分、休憩」


そう言って、佐紀を見ると、
佐紀は膝に手を付き、
肩で大きく息をしていた。

矢島は、佐紀の処へ行くと、


  「サキっ、休憩だよ。

   さあ、ちゃんと水分摂って……」


そう言って、佐紀の肩に手を置くと、
佐紀は、体を起こそうとした。

しかし、佐紀の体は大きくよろけ、
そのまま、床に崩れ落ちた。


  「サキっ、サキっ、」


皆も、集まって来た。

矢島が、佐紀を抱き起すと、
佐紀の体は、異常に熱かった。


  「ヤバイっ、汗、かいてないじゃん」


矢島は、大きな声で、


  「コールド・スプレー!

   それと、タオル、
   水で濡らして持って来て。

   それと、救急車。

   早く、早くっ」








佐紀は、遠のく意識の中で、



  “もう、いい。

   これでいい……

   これでいいんだ…………

   これでいいんだ…………”



と、繰り返していた。





   ………………………

   …………………

   ……………

   ………

   …

   ・