「それを一体、どこで?」

僕は思わず、美奈子に詰め寄った。

「わからない。2日前…突然、下駄箱の中に、入っていた。使い方とともに」

美奈子は、僕の目や様子を見ながら、自分の言葉を確認していた。まだ自分でも、異世界を完全に認めているわけではなかった。

「このカードに触れた日に、家に帰り、眠ると夢を見た」

美奈子は、カードを僕に渡した。

「突然、見たことのない草原に、あたしは立っていた。そこで、誰かに武器を渡され、耳元で囁かれた。戦えと…」

僕は、カードをまじまじと見た。

ポイント残高は、0。レベルは30を示していた。

(いきなり、30!下級レベルなら、魔物を倒せる)


僕は、ロバートの言葉を思い出していた。

(異世界から来た君は、強い)

僕は、カードを握り締めた。

「あたしは、人に命令されるのが嫌いだから、無視したけどね」

美奈子は、僕を観察しながら、カードを見て、

「少しポイントがあったんだけど…すぐに0になり…目が覚めた」


「戦えと…言ったんですね」

僕は、カードを調べようと、ディスプレイのボタンを押した。

すると、エラーの表示が出て、カードは僕の手の中で、煙のように消滅していく。

消滅する前に、カードはメッセージを表示した。

{仲間になれ…赤星浩一}

僕は、消えていくカードに力を込めて、握り締めた。

「ターゲットは、僕かあ!」

誰かはわからないが、僕を狙っていることは、間違いなかった。