天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}

「ア、アルテミア…」

ステイタスは、後ずさった。

「あんたは、下がってな」

アルテミアは、直樹をチラッと見ると、ゆっくりとステイタスに向かって、歩きだした。

天井から、吊された香里奈は、少しだけ意識を取り戻した。

目の前を通り過ぎたアルテミアの横顔を見て、呟いた。

「ティア…」





「知っているぞ!貴様には、かつての魔力は、ないことを!貴様の力は、魔神クラスには通用しないことも」

嬉しそうに、まくし立てるステイタスの顔面に、

「モード・チェンジ」

赤いジャケットを羽織った、ファイヤーモードになったアルテミアのパンチが、叩き込まれた。

「バーニングファイヤー!」

凄まじい爆発音が響き、ステイタスの顔の半分が、吹き飛んだ。

「炎と、爆発を絡めてみた」

「何!?」

ステイタスは、信じられないような表情を浮かべ、両手でなくなった半分を確かめた。

「あたしの炎が足りないなら…いろいろ絡めるだけだ」

「おのれえ」

床に溜まっていた水が、ステイタスに集まり、なくなった顔面を補強する。

「ほお…便利だな」

馬鹿にしたように言うアルテミアに、怒り、

全身を震わせたステイタスは、絶叫した。

「私を舐めるな!」