「不死のバンパイアは、塵になっても復活する。だったら、吸収すればいい」

アルテミアは言葉が言い終わる寸前、僕が拳を握るとその中に、竜巻は吸収されていった。



「チッ」

アルテミアは舌打ちした。

「遊んでやがる」


魔王ライは、僕の能力を測る為だけに、女神を復活させたのだ。

それだけの為に。


女神を一瞬で倒したことにより、僕の強さは計り知れなくなっていた。


しかし、まだ僕に致命的な弱点があることを、

アルテミアは、教えてくれなかった。

かつて、大苦戦した女神達に、一瞬で勝ったことで、

(本当に…強くなった!)

自分の強さに、僕は素直に喜んでいた。



そんな時、後ろから声をかけられた。

振り返ると、女が1人いた。

「赤星浩一様ですね。あなたをお迎えに来ました」


女は跪いた。

「どうか…私とともに、アステカ王国へ。我が主が待っております」



「アステカ王国?」

その聞いたことのない国が、僕のこれからを変えることとなった。