もう…昔の話だ。

どれくらいの刻が、過ぎたかわからない…。




かつて…人間は、微力ながらも、戦う力を持ち…

魔王ライ率いる魔物達と戦いながらも、辛くも生きていた。


しかし、突然の魔王軍の総攻撃により……人々の戦力は、壊滅的なダメージを受けた。

各地の勇者や戦士達は、死に物狂いで戦ったが…魔王軍の中にいる魔神達には、かなわなかった。


唯一、彼らと戦えたのは、天空の女神だけだった。



戦いは、激化を増し…たった数ヶ月で、人類のほとんどが死滅した。


勇者や戦士は、皆…戦いの中で、倒れ…死んでいった。

のちに、十字架の刻印でいわれる…最後の戦いは、天空の女神と魔王軍の間で、熾烈を極めた。

すべての空が、雷雲で覆われ、すべての海が荒れ狂い…すべての土地が、凄まじく揺れた。

あらゆる天災が、人々の住む惑星を襲った。

何とか生き残っていた人類は、天空の女神の声に、導かれ…ある島に集めれた。

そして、空を覆う雷雲が晴れた時……空から、天空の女神が落ちてきた。

美しいかったブロンドの髪は、薄汚れ…女神を象徴する翼はもがれ… 

女神は、墜ちてきた。


残った人類は、知った。

女神は、負けたのだと…。


彼女は、最後の力を振り絞り…島の先端の岬に、十字架に似た剣を突き刺し…

最後に残ったすべての力を使って、島に結界を張った。

命をも使って……。



その時、島に残った人類は約三万人…。これが、生き残った人類の数だった。


女神は、言った。

生き残ってたすべての人に向かって…。

(あたしの結界は…三百年は持つ…。もし、空に雷が走ったなら……それから、15年で、結界は消える…)

人は、絶望の刻を知った。

(それまでに、生き残る方法を考えろ……)


それが、女神の最後の言葉だった。

あれから、三百年。 

そして、雷が空に走ってから…14年以上がたった。