「明日香ちゃん!あんたのファンって方が来てるぞ」
昔から来てくれている常連のお客さんが、店の扉を開けた。
ステージでは、音を取り戻した啓介と、
久々に阿部と原田、武田が演奏していた。
明日香が、カウンターから出て、扉に向かうと、
杖をついて、腰が曲がった老婆がいた。
「何でも…遠くからわざわざ、明日香ちゃんを聴きにきたらしい」
「ありがとうございます」
明日香は、老婆の手を取り…ステージ近くのテーブルまで、連れていく。
ちょうど演奏が終わる時で、ステージから、啓介も降りてきて、椅子の用意をする。
赤ん坊を連れた若い夫婦のテーブルと、相席になるしか、席は空いてなかった。
夫婦の了承を得て、
相席となる。
カウンターに戻ろうとする明日香に、老婆は言った。
「演奏されないのですかな?」
明日香は足を止め、
「はい…わざわざ来て頂いて、申し訳ないのですけど…」
頭を下げた。
「怪我でもなさったのですか?」
「いえ」
明日香は、首を横に振った。
「心の病かな?」
老婆は、明日香の顔を覗いた。
「だったら…あんたは、ステージに上がるべきじゃ」
昔から来てくれている常連のお客さんが、店の扉を開けた。
ステージでは、音を取り戻した啓介と、
久々に阿部と原田、武田が演奏していた。
明日香が、カウンターから出て、扉に向かうと、
杖をついて、腰が曲がった老婆がいた。
「何でも…遠くからわざわざ、明日香ちゃんを聴きにきたらしい」
「ありがとうございます」
明日香は、老婆の手を取り…ステージ近くのテーブルまで、連れていく。
ちょうど演奏が終わる時で、ステージから、啓介も降りてきて、椅子の用意をする。
赤ん坊を連れた若い夫婦のテーブルと、相席になるしか、席は空いてなかった。
夫婦の了承を得て、
相席となる。
カウンターに戻ろうとする明日香に、老婆は言った。
「演奏されないのですかな?」
明日香は足を止め、
「はい…わざわざ来て頂いて、申し訳ないのですけど…」
頭を下げた。
「怪我でもなさったのですか?」
「いえ」
明日香は、首を横に振った。
「心の病かな?」
老婆は、明日香の顔を覗いた。
「だったら…あんたは、ステージに上がるべきじゃ」