「タイプじゃないって、どういうことよ!」

里緒菜は思わず、声を荒げた。

「香里奈さんみたいな…タイプが、好きじゃなくて」

直樹は、真っ直ぐ前を見据え、

「香里奈さんが、好きなんだ。タイプとかじゃない」

直樹の言葉も、まっすぐだ。

「香里奈さん…本人だけが好きなんだ」

里緒菜はじっと、直樹を見つめ、

少し目を閉じた。