音が泣いているのが、

わかった。

光も、

鳥たちも泣いている…。

(今日は何かあったかしら…?)

ベットの中から、

少女は身を起こした。

生まれつき、体が弱い…彼女は、

身寄りもなく、

いつ死んでも、おかしくなかった。

施設で暮らす少女は…

目を見えず、

心臓も弱かった。

なぜ、生きてるの…

どうして…生かされてるのか…。

理由は、わからなかった。

両親の意味も知らない。

いつもベットの中、

ただご飯だけを貰っていた。

そして、名前…。

この施設にいる子供は、

アルファベットで呼ばれていた。

少女は、J…。

Jと呼ばれていた。

「お前たちは…欠陥品だけど…使える部分があるから…育てている」

そう管理人に、いわれたことがある。

他のアルファベットの子供たちは、

年が過ぎるにつれ、

何人かいなくなっていた。


ある夜。

5人のアルファベットの少年少女たちが、話し合っていた。

「ここにいたら…殺されるだけだ…」

「逃げよう」