志乃の心の奥から、染みでたもの…。

(お姉ちゃん…)

裸の百合子。

そして、だんだんと暗闇から姿を現す。


啓介。

二人は絡み合う。

百合子は志乃を見、フッと笑うと、

啓介とキッスをした。


(いやーーーーーっ!!!)

小さな子供となった志乃が、絶叫する。

いや…

お姉ちゃんとなんて…。

いや、

いや、

いや、いや、いや、いや、いや、いや、いや。

志乃涙を流しながら、

堕ちていく。

憎かった。

殺したかった。

お姉ちゃんを…。

あたしの愛する

男を奪った女。

あたしを選ばなかった…

男…。


みんな…

憎かった。




絡みつく…サックスの音が…

志乃の全身を包んだ時、

志乃の心は、秘めていた思いとともに、

堕ちていった。