『お先に失礼しま~す♪』

今にも鼻唄でも歌いそうな美香に半分引き摺られるようにして、事務所を出る茉莉…一瞬、首を傾げる者もいたが、

『やっぱり、あの二人のレベルは高いよなぁ~まぢでやばいわ。』

『そうそう、田中さんがほんわか可愛い系なら倉田さんはクールな綺麗系だよな。』

~なんて会話が繰り広げられていたのだった。




会社を出てもなお、美香の意外と強い手の力に少し驚きつつも、

『さすがに、もう観念したから手を離してよ。』

『あっそうだったねっ!ごめ~ん。』

やっと解放された手首を労りながら、韓流ドラマは明日にお預けだなと少しだけ残念な気持ちを引き摺りながら諦めた。


もう行き先が決まってるのか、胸元に緩くリボンがあしらってある白のシルク生地のブラウスにベージュのジャケットをはおり、ピンクベージュのフレアスカートを揺らしながら白のヒールでスタスタ歩く美香。

『ちょっと待ってよ~。』

と白地の斜めに淡い黄色のストライプ柄ワンピースのウエストには細いベルトをしめ、紺色のジャケットをはおり、薄黄色のヒールを履いた私は慌てて後を追った。