ジャスミン

ガチャッ
『…はぁー。』

俺は茉莉にバスタオルなど、一通りの説明をするとドアを閉めた。

(何やってんだ?俺は…)

ため息を漏らし、片手で自分の頭をグシャっと掴む。

とりあえず着替えるか。と切り替え寝室に戻ると、茉莉の服が乱雑に落ちているのに気づく。

昨夜のことを思い出し、苦笑いを浮かべると颯太郎は服を拾い、丁寧にハンガーにかけた。

自分も適当なティシャツとスエットに着替えるとなるべくサイズの小さめなティシャツとハーフパンツを手に取り、また浴室に向かう。


軽く深呼吸をして、まだシャワーの音がすることを確認するとドアを開ける。

うっすらと映る茉莉のシルエットに反応する自分に呆れつつ、用意した服をおき、綺麗に畳まれた茉莉の身体に巻きついていた布団を取ると足早にその空間から脱出する。

(…十代のガキかよ。)

煩悩に負けないように、無心で朝食の準備をする。

料理をすることは、そんなに嫌いな方ではなく、寧ろストレス解消になっているくらいだ。冷蔵庫の中身もそれなりに充実しているので、玉子とベーコンを取るとフライパンを熱する。


『~いい匂い。』

…ちょうど出来上がった頃に茉莉が浴室から髪をタオルで乾かしながら出てきた。

『簡単なものだけど食べるか?』

そう言いながら茉莉に顔を向ける。