ジャスミン

それと同じように出てくる料理はどれも素晴らしく、茉莉はその味に一つひとつ感激する。そんな茉莉の様子を嬉しそうに颯太郎は見ていた。

一通りのコースを食べ終え、茉莉は苦しいくらいの満足感に満たされながら紅茶を飲んでいると、厨房からコック服を着た幸太郎が出てきた。


『どうでしたか?』

『今まで食べたイタリアンの中で一番です。どれも本当に美味しかったです!』

『ぷっ、ありがとう。料理人冥利に尽きるよ。』

茉莉が興奮気味に幸太郎にお礼を言うと、幸太郎は吹き出し笑いに耐えながら答えた。

『幸太郎さんって本当に笑い上戸ですね。』

前回の事を含め、茉莉には確信めいたものがあった。

『えっ⁉︎…ぷっくっく…もう無理!ひぃ茉莉ちゃん本当うける‼︎』

お腹を抱えながら笑う幸太郎に笑いのツボが分からず困惑気味の茉莉。

『もうその辺にしとけよ。茉莉が困ってるだろ?』

見兼ねた颯太郎が声をかけるが、その表情もどこかニヤついている。

『二人とも茉莉ちゃんが可哀想でしょ!』

そこにピシャリと京子の一喝が跳んできて途端に幸太郎の顔は引き攣り、漸く笑いはおさまった。