タオルなど一通りの説明を受け、ドアをしめるとぐるぐる巻き付けた布団から自分を解放する。


『何してるんだろう、私。』

昨日知り合ったばかりでしかも、記憶の中では全くと言っていいほど会話もしていない男の部屋で朝を迎える。

茉莉は自分が理解できなかった。

顔をあげると、洗面台に映る頬が染まり、涙目になっている。

『あっ!?』

首筋に紅い跡を見つけ触れてみる。

(これってキスマークだよね?…やっぱりしたんだ。)

颯太郎との情事は全く覚えていないが、彼の上半身を思いだすと、彼が茉莉に触れているのを想像して顔が紅く染まる。

妄想をかき消すかのように首をブルブルっと振ると、浴室に入り、少し熱めのシャワーを浴びせるのだったー。


ーー浴室を出ると肌触りのいいバスタオルで身体をについた水分を吸収させながら綺麗にたたまれたティシャツとハーフパンツが置いてあるのに気付いた。

先ほど寝室を出る時に床に乱雑に落ちていた自分の服を思い出す。

(これを着ろってことだよね?…下着はしょうがないよね。)

服を着てから深呼吸を一つすると洗いざらしの髪にタオルを当てながら、リビングへと向かうドアを開けた。