ジャスミン

『えっ⁉︎ちょっと…何これ‼︎』

颯太郎はそのまま立て膝で自分を抱きしめる茉莉の腰まわりに手を回し立ち上がるとスタスタと歩き出した。

全く想定外な事が起きたのだろう、茉莉は颯太郎に抱きあげられながら軽いパニックを起こしている。

『えっ、へ?もしかして…嫌!本当に無理〜‼︎』

向かう先が分かったのか足をバタバタさせながら全力で抵抗を示す茉莉を見ながら満足感を感じる自分は性格に難ありなのかもしれない…がやめられない!

『茉莉もずっと一緒がいいって言っただろ?今日は俺引く気ないから。』

『えぇ⁉︎そういう意味じゃないのにぃ!』

なお抵抗する茉莉を無視しながら目的地に到着すると、ゆっくりと茉莉を降ろす。

『ねぇ、本当に?』

最終確認するかのようにお伺いをたてられているが、気にすることなく颯太郎は服を脱ぎ始める。

『うわぁっ!ち、ちょっと待って‼︎せめて、せめて後から入っても良い?』

半泣き状態で妥協案を提示する茉莉にさすがに申し訳なさが芽生えてきた。

『分かったよ。じゃあ、呼んだら来いよ?』

優しく諭すと茉莉の額にお詫びの意味を込めて唇を落とした。