茉莉…覚えてるか?
幸太郎の店に行った時にあいつが言った「ラスボス」っていう言葉。表現自体はあいつの思い付きなんだろうが、言葉の意味としてはあながち間違いでもないんだよ。
「ラスボス」っていうのは…俺たちの母親の事なんだ。
色んな意味で影響力がある人で俺を始め最終的には親父でさえ逆らえない。だから俺たちがずっと一緒にいる為には避けて通れないっていうか…だが俺はどんな事になったとしても、おまえを手放さないって決めたんだ。
…と、まぁこんな偉そうなこと言ってみても、茉莉の気持ち次第なんだがな。』
颯太郎は一通り話すと自嘲気味に笑みを漏らした。
『……。』
茉莉はどう返したら良いのか分からないのか俯きがちに沈黙を続けている。そんな茉莉の姿に颯太郎も自然と俯き沈黙の時間が続く。
静かな室内でエアコンの稼働している音と壁時計の秒針の音だけが耳に入ってくるーー。
颯太郎の脳内がマイナス方面に舵を切ろうとした時、ふわりと優しい香りが身体を包み込んだ。
幸太郎の店に行った時にあいつが言った「ラスボス」っていう言葉。表現自体はあいつの思い付きなんだろうが、言葉の意味としてはあながち間違いでもないんだよ。
「ラスボス」っていうのは…俺たちの母親の事なんだ。
色んな意味で影響力がある人で俺を始め最終的には親父でさえ逆らえない。だから俺たちがずっと一緒にいる為には避けて通れないっていうか…だが俺はどんな事になったとしても、おまえを手放さないって決めたんだ。
…と、まぁこんな偉そうなこと言ってみても、茉莉の気持ち次第なんだがな。』
颯太郎は一通り話すと自嘲気味に笑みを漏らした。
『……。』
茉莉はどう返したら良いのか分からないのか俯きがちに沈黙を続けている。そんな茉莉の姿に颯太郎も自然と俯き沈黙の時間が続く。
静かな室内でエアコンの稼働している音と壁時計の秒針の音だけが耳に入ってくるーー。
颯太郎の脳内がマイナス方面に舵を切ろうとした時、ふわりと優しい香りが身体を包み込んだ。

