ジャスミン

『あ、いや違うんだ…これからの時間俺にくれないか?』

『へ?時間…?』

唐突な話に頭が追い付いていかない。

『ごめん、分かり難かったな。今夜は一緒にいて欲しいんだ。』

颯太郎の丁寧な説明が茉莉の羞恥心を余計に煽った。

『ふぇ⁉︎あっ…うん、そうするね?』

『ふっ、くく…ごめん、つい。』

と言いながらも笑いを抑えれていない様子の颯太郎に茉莉はますます恥ずかしくなるのだった。


『浩一さん、長々と騒がしくしちゃってすいませんでした。』

会計を済まして店を出ようとする颯太郎の後ろに付いていた茉莉は足を停め、浩一に頭を下げる。

『君たちの役に立てたみたいで何よりだよ。』

相変わらず神様ごとく穏やかなに微笑む彼は癒しのオーラが放たれている。

『ふっ、茉莉ちゃん早く彼のもとへ行ってあげて。』

『え…あっはい。じゃあ、また来ますね!』

『うん。待ってるよ。』

珍しく笑いに耐えながら颯太郎のもとへと促す浩一に首を傾げながらも店を後にした。