ジャスミン

…何だか雲行きがおかしくなってきた。


横に座る茉莉の様子がおかしい。

次々に酒を注文し、グラスを空にしていく。酔ったせいか口数も増え、おまけに目の前の二人もいるから逆に俺が疎外感を感じるくらいだ。

颯太郎は眉をひそめ、茉莉の様子を伺った。

(大丈夫なのかよ、どんだけ飲んだ？ちゃんぽんしすぎだ！)

更に大樹が煽るから思わず『おいっもう止めておけよ。』と気づいたら口を出していた。

いつもならどんな女がどんな状態でも気にもならないのにー。

(…こいつが余りにも無茶な飲み方をするからだっ！)

颯太郎は自分自身に戸惑い、誰に聞かす訳でもなく、自分に言い訳をした。


そんな様子を大樹と美香が顔を見合せ、意味深な笑みを浮かべていた。