佐伯の言葉をヒントに答えを手繰り寄せようとするものの、先程の茉莉と西川の光景が蘇り歯止めをかける。
『…何でも言えたら、そんな楽なことないですよ。』
半分投げやりな言い方になってしまう。
『そんな関係で良いなら俺はもう何も言わないけど…でも、あいつを傷つけたら許さないからな。』
佐伯は颯太郎の心の葛藤を見透かしたように厳しめの言葉を投げる。
『……。』
颯太郎は膝の上に置いていた片方の手のひらをグッと握る。
自分以外の人間が、茉莉のことを特別に考えていることが、どうしようもなく嫌なのだ。
それが西川であれ佐伯だったとしてもー。
『…分かってる。』
颯太郎は一言だけ呟くと黙り込んだ。
そんな颯太郎の横顔を見ながら佐伯は心の中だけでエールを送った…。
(…頼んだぞ。)
二人が部屋に戻ると、完全に皆酔いが回っていて、机に突っ伏して寝息をたてている者やペラペラと話し続けている者と非日常の空間と化している。
『…何でも言えたら、そんな楽なことないですよ。』
半分投げやりな言い方になってしまう。
『そんな関係で良いなら俺はもう何も言わないけど…でも、あいつを傷つけたら許さないからな。』
佐伯は颯太郎の心の葛藤を見透かしたように厳しめの言葉を投げる。
『……。』
颯太郎は膝の上に置いていた片方の手のひらをグッと握る。
自分以外の人間が、茉莉のことを特別に考えていることが、どうしようもなく嫌なのだ。
それが西川であれ佐伯だったとしてもー。
『…分かってる。』
颯太郎は一言だけ呟くと黙り込んだ。
そんな颯太郎の横顔を見ながら佐伯は心の中だけでエールを送った…。
(…頼んだぞ。)
二人が部屋に戻ると、完全に皆酔いが回っていて、机に突っ伏して寝息をたてている者やペラペラと話し続けている者と非日常の空間と化している。

