ジャスミン

『どういうことだっ!?』

大樹は颯太郎の形相に苦笑いをした。

『まぁ、まぁ。あんまり怒るとせっかくのイケメンが台無しだよ~!』

『誰がこんな顔にしたんだっ!おまえが話したいことあるって言うから来てみれば、何だよ。この状況は!』

『だって~そうでも言わないと颯太郎来ないでしょ?』

大樹は全く悪ぶれた様子もなく、答える。

『当たり前だっ!知ってるだろ?俺は女が大嫌いなんだ。もう、うんざりなんだよ。』

颯太郎の少し憂いを帯びた表情に大樹も茶化すのを止め、落ち着いた口調で話し始めた。


『確かに今までのおまえの周りには、その外見や金子の名前に惹かれて集まってきた奴らが多かった。おまえが言うように内面を見てた奴は少なかったと思うよ。』

『…だろう?俺の中身なんて誰も興味ないんだよ。』

『そうじゃなくてさ、おまえ自身が自分をさらけ出すことを恐がってんだろっ!』

『っ!?』