ジャスミン

『昔の私は仕事に必死で、私には仕事しかないって意地になってた時に彼と出会ったの。
彼と仕事をするようになったら、自分の見ていた世界は何て狭かったんだろうって。彼は周りのものを惹き付ける才能に溢れていて、少なからず私も自然に惹かれていった。

幸運なことに付き合って、結婚することができて、すごく幸せだったの。でも、だんだんその幸せに不安を感じるようになった。
私は彼と釣り合っているのだろうか？って。
公私共々、彼に追い付きたくて必死に働くようになった。

…でも、彼はそんなことじゃなくて子どもができて、家には私がいてっていう家庭を望んでいて。
次第に、すれ違いが続いてそんな時にあなたと一緒にいるところを見たの。何処かでやっぱりと思ったわ。
前に家に来たときのあなたの印象は、昔の私みたいだったからー。
でも、諦めにも似た感情が出てきた後にあの人を失いたくないって思った。

昨日ね、家の前で偶然帰りが一緒になってね、でもあの人の様子がおかしくてとうとう問い詰めちゃった…自暴自棄になってたのか今までのこと全部話してくれたわ。昨日、あなたにしたことも…。

今日は謝りにきたの。
どんな理由であれ、あなたを傷つけてしまった彼を許してほしいの。本当にごめんなさい。』