128√e980-I Love You-



「雪華…ぁれ見て!」

「…っぇ?」

彼が自分の右方向を指した。
その瞬間、重なる互いの唇。

ちゅっ…。

「…っざけないで!
 いいかげんにしてょ…。
 愛されるなんてうんざりよ!」

「じゃあ、なんでそんな悲しそうなの?」

彼はそう言うと私の涙を拭った。
いつの間にか泣いてたんだ。
私は彼のなにかがムカついた。

「来る者拒まず去るもの追わずの
 あなたには分からない。
 愛を与えなくても、つくらなくても
 愛されるあなたが憎い。」

彼が悪いわけじゃない。
なのに、彼の悪口しヵ出てこない。
愛とか、友情とか、絆とか。
どれもクソッタレよ。

「だったら、俺が愛してあげる。」

「…だれを?」

彼は両手で私の顔を挟み上にあげた。
彼の目は真剣だった。
今まで見た、憎悪が一瞬で消される。

「雪華。
 誰も愛してくれないんだったら
 俺が飽きるほどの愛をあげる。
 …なぁ、何が雪華を縛るんだ?」

「…縛られてない。
 何もないけど動ヶないの。
 ただ、臆病者を置いていけない自分が
 動けないでいるだけ。」