「ねぇ、近づかないでよ?」

いいヵげん、ウザイ。

「あのさ?
 どう見ても私から近寄ってない。
 それを私に言うのはお門違いじゃ?
 ねぇ、泉菜。
 軍団つくる前にさ、本人に言えば?
 後処理が面倒くさいだけだよ?
 それに、友達って?
 誰に向かって友達?
 雷秋があーいう奴ってのは承知でしょ?
 あんたたちもさ、先輩がなに?
 先輩だからって出しゃばんないでよ。
 ホント、おめでたい関係ですね。」

そういうと、先輩達は顔を赤くし,
泉菜はすごい目つきで睨んできた。

「ふ…っざけんなよ!」

リーダー核の先輩が木刀を振りかざした。
それが、私の顔にあたる。
口内にはすぐに鉄の味が広がる。
その後、他の連中も次々に襲ってくる。

「あーぁ、さっさと謝ればよかったのに。」

泉菜がニコニコと近寄ってくる。
片手にはハサミ。

「前から、思ってたんだぁ。
 雪華の髪の毛綺麗だなぁって…。
 それが、傷ついたら大変だね。
 でも、ごめんね。ムカつくの。」

泉菜は動かなくなった私の髪の毛を
引っ張り、ハサミの刃を開く。
その瞬間。

「何…してんだよ。」

周りはその声を聞いた瞬間凍りついた。
泉菜は私を隠すように目の前に立った。