光君の元カノのことがあって、余計に2人の強い絆を目の当たりした。



どんなことがあっても、お互いを信じていて、悩むことも辛いことも恋愛には不可欠で、それでも信じ合う気持ちが最後には勝る。



2人と知り合ってそんなに経ってないのに、完全に負けたって思ったよ。



オレがどう足掻いても、ヒロ君にはひとつも勝てないって。



自分の気持ちに気付いただけで、余計なこと言わなくてよかった。



それにしても、まりやちゃんという子は本当にオレに貴重な体験をさせてくれる子だ。



2度も振ったこともそうだけど、オレに初恋と失恋を同時に経験させてくれたんだから、一生忘れられないよ。



一気に今までのことを振り返り、気付けばさっきまで顔を出していた夕日は隠れて月が顔を出していた。



「んー! さて、帰りますか」



思いきり伸びをして、妙にスッキリしてる自分にまた笑ってしまった。