突然の向こうからの接触に私は、なぜか身構える。


「クスッ。また緊張してる?大丈夫だよ。これ、みんなに配ってくれる?」


「あ、はい。分かりました」


藤沢さんから渡されたプリントをみんなに配る。もう1つのグループは、上から回ることになって、エレベーターに乗り込む姿が見えた。


「今、渡した順番に回るから。急いで作ったので、場所しか書いてないけど、もしはぐれたらこれを見ながら探して。まあ、ちゃんと付いてくればはぐれることはないけど、特に萱森さん」


「は、はい!」


名指しされて、背筋が伸びた。私、はぐれると思われてる?


「緊張で周りが見えてない感じがするから、気をつけて。里中さん、見てあげてね」


「はい。分かりました」


私、トラブルメーカーに見えるのかな?緊張はしているけど、失敗はしてないはずなんだけど。