クローバー的恋事情

せっかく再会出来たのに恋人がいるなんて、ついてない。本気で好きなら、略奪?いやいや、そんなことが出来るわけない。

他の人を傷つけてまで自分の気持ちを優先させるなんて…私には無理だし、そんな高度な恋愛テクニックもない。

やっぱりさっさと諦めるのが身のためだ。まだそれほど接触してないから、そんなに傷付かない。


でも、恋心は簡単に消えない。

私は、家のソファーに寝転んだ。天井を見ても浮かぶのは藤沢さんの顔。目を瞑っても浮かぶ顔。

もう!どうしたらいいのよ。振られる覚悟で告白して、砕け散るのがいい?

足元に置いたクッションを蹴る。


「こら、葵。お行儀が悪いわよ。今日から社会人なんだから、大人らしくおしとやかにしなさい」


蹴っていたクッションをお母さんに取り上げられる。


「あははっ。何を荒れてるんだよ?1日目から疲れた?」


「あら、渉(わたる)。おかえり」


5つ上のお兄ちゃんが帰ってきた。