「何ですか?」


「焼き鳥、うまかったよ。ありがとう」


「え?あ、それは良かったです」


爽やかな笑顔を見せるから、戸惑った。

藤沢さんには一喜一憂させられるけど、やっぱり好きなんだなと思ってしまう。いつでもそばで笑顔が見たい。でも、小島さんがいる。藤沢さんは小島さんのもの…。

思っても無駄?この気持ちの行き場はない?


「ほら、寝ろ」


「はい…、おやすみなさい…」


布団に入るとすぐに寝息が聞こえてきた。本当に眠かったのだろう。


「呆れるほど、早いな」


「お兄ちゃん、ごめんね。ありがとう」


「あはは。俺が飲ませたのが悪いんだから、葵は気にしなくていいよ。風呂入って、寝なよ。明日も仕事だよ」


「うん」