おやすみなさい。

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ふっ、と。


目が覚めたわたしは、ぱちりと目を瞬いた。




「あれ?」



目が潤んでいて、驚いた。

頰を触ってみると、涙の跡があった。





「うーん?」



なんだか優しくて悲しい悲しい夢を見ていた気がする。

まるで覚えていないけど。




「まあいっか!」


それより今日も学校だ!




元気にベッドから跳ね起きて、るんるんと準備を始めた。





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家のドアを開けると、丁度隣の高校生のお兄さんもドアを開けていて、思わぬシンクロに2人で目を丸くした。




「ナイスタイミングだね」

「本当ですね!」

「下まで一緒に行かない?」

「行きます行きます!
お話ししましょー」

「話すの好きだよねぇ」

「いやあ、ついつい話しちゃうんですよねぇ」



てへへと笑いながら、マンションの階段を降りる。



「あ!そうだ言い忘れてました!」

「ん?」

「おはようございます雪さん!」

「ああ。おはよう風子ちゃん」




そうして楽しくマンションの外へ出て笑う私たちの近くで、道端に咲いた小さな花を風が揺らした。








◯END◯