すると、ガラガラと窓の開く音がした。



「お姉ちゃん、お兄ちゃん。バイバーイ!」


窓を開けた柚希が2人に向かって


小さな手を振り上げた。


「…じゃあな」


「バイバイ、柚希くん」


背を向けて歩き始めた時には


聖は涙を流していた。


…聖が泣く姿、初めて見た。