振り返ってみると、 そこにはキャップをかぶった小さな男の子が 地面に転んでいた。 「ボク、大丈夫!?」 「…ママがいない」 その男の子は目に涙を浮かべていて 今にも泣きそうだった。 「こいつ、迷子か?」 「どうしよう……」 どうすればいいのか分からずに迷っていると、 和人はその男の子の前にかがんだ。 「お前…名前は?」