固まってると、顔を上げた壱縷はブスッとして唇を尖らせた。 「…俺のほうがカッコいい」 何を言い出すのかと思えば。 ボールペンで熊のぬいぐるみをブスブス刺す壱縷。 「…俺のほうが希美のこと好き」 「…」 「…大事に、出来る」 「…そう」 「…我が儘も聞けるし」 「…私そんな我が儘言う方じゃないんだけど」 生徒会室に流れる重い空気。 部活動に励む生徒の声が外から響いてくる。 気を紛らわすために手は休めず、カリカリと書類を書く。だけど集中出来ず、目が泳ぐ。