少しだけ手元に残った書類を見つめながらポツリ。
「…怒ってる?」
私の声は聞こえてるのだろうけど、返事はない。
ちらりとその横顔を盗み見れば無表情。いつも無表情だけど、いつも以上に感情が読みづらい。
しかし目が怒りの炎で揺れている。
「…あいつ、嫌い」
「アイツって榛名君の事?」
「…もともと嫌いだったけど、もっと嫌いになった」
ムスッとする壱縷。
馬が合わないのか、元々榛名君を毛嫌いしている。
「…何で」
「ん?」
「…何で希美があいつのことが好きなのか分からない」
「…」
そう言われて少しビックリしてしまった。思わず足を止めた私に合わせて壱縷も足を止める。
そしてつらつらと榛名君への不満をボヤき始めた。

