「そ、そうなの。実は私達昨日から付き合ってるの」 「…へぇ」 わざわざ言ってくるのはきっと牽制のつもりなんだろう。 でもわざわざ二人の仲を壊すつもりはないし悪者に成り下がるつもりもない。 「…希美さんは好きな人、いる?」 目を細めてチラッと見上げてきた日野さん。 その探るような視線に気付かないふりをして「いない」と言えば日野さんはどことなくホッとしていた。