「僕が待つよ」 「いいよ。一人で待てる」 隣にいる彼女の変化に気付かず、書類に手を伸ばす榛名君をやんわり断る。 「日野さんいるんだから、二人でご飯食べてきたら?彼女といるところ邪魔しちゃ悪いから」 「え、春日さん何で知ってるの?」 「小耳に挟んだだけ」 これは本当だ。 今朝、副会長の榛名君とモテ女で有名な日野さんが手を繋いで登校していたと噂になっていた。 そう言えば顔を赤らめて納得する榛名君に、胸が痛くなる。