「…あ、傘忘れた」 ブランコに乗りながら空を見上げる。 ポツポツ降ってきた雨。 傘のことなんてすっかり忘れていた。 学校を出た私は家に帰らないで、通り掛かった公園に足を踏み入れた。 かれこれ一時間は公園にいる。 ただ一人になりたかった。 曇り空だったせいか公園に子供の姿は見えず、静かだった。 「…何やってんだろ、私」 虚無感に苛まれながら、ブランコを漕ぐ。