「…顔は、まあまあかな」
「…ん?」
「…何でもない」
顔は贔屓目なしに整っている。
美形なのにボケッとした中身が残念だ。髪なんか何のトリートメント使ってるのやら艶々の黒。伏せられた目が睫毛で影を作る。
…本当、いけめん。
「…」
「…って寝てんのかい!」
「……!?」
「…叫んでごめん、寝てていいよ」
真面目に書類を見てるかと思えば聞こえてきたのは寝息。
そんな大袈裟にハッとしてキョロキョロされると罪悪感が沸くよ。私が起こしたみたいじゃない。いや、起こしちゃったけど。朝練もあって、自主練もして、疲れが溜まってるのかな。

