それから何事もなく午後の授業を終えて放課後になった。 何事もなく―――いや。加藤君と壱縷がやけに親しく話していたことが印象深い。 加藤君が敬愛気味に壱縷に話し掛けていた。 彼も壱縷同様あまり親しい人はいないのに。 何でも、格好良くて運動神経抜群の壱縷を前から尊敬していたらしい。 ヨダレを垂らして昼寝する壱縷を尊敬なんて加藤君も風変わりだ。