「あんまりそう言うこと言わないほうがいいよ。壱縷がそうとは限らないけど、軽い」 本を読みながらそう言えば、何故か本を奪われた。ちょ、それ昨日買ったばかりの新作なのに。 「…」 「壱縷?本返してよ」 「…ムカつく」 「なに?」 「…希美、ムカつく」 至近距離で睨まれると何か怖い。だけど改めてやっぱり整った顔立ちをしてるなとも思った。女の影どころか友達の影すら見えない壱縷だけど、密かに女子に人気らしい。