「別に無理しなくていいよ?」 「…いい、やる」 「計算苦手でしょ?」 「…」 無言で電卓を弾き始めた壱縷をチラッと見て私も机と向き直した。 後で壱縷の好きなミックスジュースを奢ってあげなくもない。 正直猫の手も借りたい状態だったから有難い。 副会長は野球部、会計はバレー部、書記はバスケ部と、皆体育会系の部だ。だから、実質放課後に仕事を出来るのは私のみ。 溜め息付きたくなるほど面倒だ。 ぶっちゃけ、壱縷も野球部だが、主力はオフらしい。こんな天然な壱縷だが、一軍でピッチャーらしい。