「…顔、真っ赤」 「あ、暑いだけ!」 「…ふうん」 「…何よその目」 「…別に。希美は嘘つきだなって」 「は、はあ!?」 いつものように上手くあしらえない。 顔を赤くさせて狼狽えていると壱縷は顔を近づけてきた。 「…な、なに」 反射的に仰け反るものの、壱縷は更に距離を詰めてきて壁に手をついた。 そして私の背中は壁につく。 こ、これが噂の壁ドン!なんて思ってると壱縷が「…やっぱりムカつく」と呟いた。