「私、十三人の仲間と共に、御陵衛士という組織を作り、天皇をお守りする所存です」 伊東はにこやかな笑みを浮かべて言う。 「そんなこと、許されんのかよ」 永倉が低く呟く。 「伊東さんには、新選組から少し離れた所から長州や薩摩の状況を探ってもらおうと思っているんだ」 近藤が取り繕うように言う。 「そんなの、離隊する正当な理由のこじつけじゃねぇか」 原田も永倉に同調する。 「もう決まっちまった事なんだ」 「土方さんは認めたってのかよ」 「あぁ」 土方も、低く呟いた。