そして遂にその日が来てしまった。

『江戸へ行きます』

それが、山南の部屋に残された手紙だった。

それは、脱走を表している。

「何でだよ!山南さん!」

土方までもが動揺している。

「山南さん……」

伊東も悲しそうな顔をしている。

「総司、山南さんを、追え」

「っ!分かり、ました」

沖田はそれ以上は、何も言わずに外へ出た。

皆願った。

どうか、どうか山南さんが、見つかりませんように_______。